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  • 秋元

Tokai VS-60 フロントピックアップ増設


80年代TokaiのモデルVS-60。 リアハム一発、まさに漢…。 演奏ジャンルに仕様がマッチしないとの事で、フロントにハムバッカーを増設します。

シンクロナイズド・トレモロが採用されておりましたので、座繰り加工の前に念のためパーツを外しておきます。 寸法測定を密に行い、確実に貫通し無い位置へ加工を行う段取りですが、ハンガービスにトリマーの刃が少しでも触れると大事故になってしまいます。

トップ材はセンター2Pのカーリーメイプル突き板ですが、接ぎ合わせが微妙にセンターからずれているのでアテになりません。 ネックポケット・リアピックアップ・ブリッジからセンターラインを算出し、掘削位置の見当をつけます。

座繰り加工後。 ワイヤーホールはネックポケット〜リアピックアップキャビティまでを貫通する形をとりました。

2PU仕様への変更に伴い、セレクタースイッチ(トグル)取り付け穴を増設しました。 ご来店時にお客様と相談の上、位置決めを行っております。

ピックガードレスの個体ですので、ピッキングによるスクラッチ傷が気になりましたので、軽くバフ掛けを行い傷を消しました。

バフ掛け後。

増設したキャビティに収めるピックアップは、ディマジオDP260 PAF MASTER NECK。 リプレススメントピックアップメーカーの大半がアメリカ発ですが、ダブルクリームボビンはディマジオの特許(米国内のみ)なので、クリームボビンのピックアップを選択すると自ずとディマジオが第一候補に挙がります。 こちらもお客様と協議の上選択。 控えめな出力ですが、何というかしっとり系。

フラットタイプのエスカッションに組み込み、キャビティ内に収めます。 リード線の取り回しを整え、取り付けの下準備です。

1弦と6弦を張り、ポールピースと弦の位置関係を参考に取り付けを行います。 ポールピース上に格弦がバランス良く通る様に、センターラインとの直角も崩す事なくビス打ち。

ブリッジは11.3mmピッチが採用されているので、弦導線に対してリアポールピースピッチはズレ放題。 10.5mmピッチシンクロだとか、F-スペース / TB(トレムバッカー)が無かった(?)時代の製品なので仕方ないかもしれません。 元から着いていたこのリアピックアップをフロントに移設、リアにF-スペースのDP260を搭載しピッチを合わせるというご提案もさせて頂きましたが、今回は見送り。 この状態でも音を拾わない事は無いので…見なかった事にしましょう!

個人的な感覚ですが、フロント・リアという区分が視覚的に行える様になると安心感が増します。 ワンピックアップの心もとない雰囲気から一転、複数のピックアップを自由にセレクト出来るという"大丈夫"感。 スーパーストラト系、なんでも来いギターに生まれ変わりました。 いつもの様に、僕が行う作業はここまで。 得意分野での完全分業で作業を行っている当工房、配線は岩崎に丸投げです!

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