- 岩崎
ピックアップリワイヤリング Gretsch G6119B
エレキギター、ベースの音を変えたい!!
そう思ったとき、一番に考えるのがピックアップ交換ではないでしょうか?
しかし、ルックスに愛着がある、あまり音のイメージが変わりすぎるのは嫌だ、などの理由で躊躇される方もおられるのではないでしょうか。
見た目を変えず、現在の音を雰囲気を残しながら、確実にパワーアップさせる方法があります。
それがピックアップのリワイヤリング。
本来はピックアップの断線修理などが主な需要かと思いますが、カスタムにももってこいです。

グレッチのベースです。
見た目は気にいているものの、リアピックアップの音があまり気に入らないとご相談頂きました。


ジャズベースタイプやプレベタイプのピックアップならたくさん種類もあり、好みのものを探しやすいのですが、このピックアップは選択肢が少なく、入手も困難です。
ないなら、作ろう!!
今回は一からの製作ではなく、パーツをそのまま活かして、コイルのみを巻き直すリワイヤリングをすることになりました。
さっそく取り外していきます。



まずは元のピックアップのデータをとります。
抵抗値、コイルの材質や太さ、ポールピースの磁力。
このデータを参考に、現在の音からどのようにしてご希望の音を作っていくか考えます。
低音で埋もれない、でもしっかりとローが出ていて抜けてくるサウンドイメージを希望されました。
また、ハウリングにも悩んでいるとのことでした。

イメージができたら、作業にかかります。
まずはコイルほどいていきます。
こんなにもたくさんのワイヤーが巻かれています。

ワイヤーをほどいたボビンをきれいにクリーニングしたら、さっそく新しいワイヤーを巻いていきます。
ワイヤーの被膜をポリからエナメルへ、そして少し太めのゲージを選びました。
・被膜を変えることで、少しギラついた音から、落ち着きのある音へ。
・ゲージを太くすることで、抵抗値を上げずに巻き数を増やせるので、音が暴れることなく、しっかりとしたハリのある低音を出すことができます。

巻き終わりました。
ハムバッカーなので、二つのコイルは逆方向に巻いてあります。


コイルにハウリング防止ためのポッティングを行います。
ロウ漬けですね。
ポッティングの精度でハウリングのしかたは大きく変わります。
真空パックを使って、しっかりと浸透させていきます。

巻き始め、巻き終わりが分かるように色を変えた配線材を繋げ、保護テープ
を巻きます。


コイルが仕上がったら組み立てていきます。

カバーを付けたら完成!!
ですが、この状態で再度ポッティングを行います。
カバーとの共振でのハウリングを防止します。


ピックアップが完成したら、配線を繋いでいきます。
セミアコやフルアコなどのハコモノはタコ糸を使ってパーツを戻していきます。

見た目は変わりませんが、中身は生まれ変わりました!!!