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60年代製 Gibson J-50 ブリッジ剥がれ修正


シリアル確認したはずなのに忘れましたが、63年…?

ブログを書いている時点では確認できず、間違うとカッコ悪いので60年代とざっくり表記させて頂きます! ピックガードが違うんでしたっけ…ギブソン好きが聞いて呆れますが、仕様だけでは年式なんて全くわからないです(笑) 半世紀前のギターですが、年代を考えると程度も良好。 "綺麗に育ったビンテージ"という感じですが、決して弾かれて来なかった訳ではなく、大切に扱われてきた様子が垣間見れます。 とは言え流石にビンテージ、各部にガタがきているので、リフレッシュの意味を込め修正作業を! 今回のお客様は三重県にお住い。 岐阜や福井のお客様はよくご来店されますが、三重県は初でしょうか。 何故かピンポイントで岡山県からお問い合わせを多数頂くのですが、ウチの様な小規模工房を見つけ出し、他県からわざわざご依頼頂ける事に未だに驚きがあります。感謝してもしきれません。 もちろん県内のお客様も同じ、いつもありがとうございます。 ご依頼内容は、中古で購入したこのJ-50の悪いところを全て修正して欲しいとの事。 お電話でお聞きしていた時点での印象よりもかなり状態の良い個体だという事もあり、しっかりとした状態回復作業を行えば恐ろしく鳴りそうです。 検品の結果、フレット交換・ブリッジ剥がれ修正・ネックリフィニッシュ・サドル/ナット交換の施工に決定。 奇跡的にブレイシング剥がれやネックの元起きは見受けられず、また修正された様な跡もないので"当たり"個体と言えるかもしれません。

今回のブログはブリッジ剥がれの修正。 お問い合わせ時に前もって個体のイメージを固めた上で現物を確認しますが、これは予想通りでした。 ハカランダブリッジですが、特別油分の多い材が使用されており、接着剤の効きも甘そう。

何度か当ブログでもご紹介させて頂いたアンカーボルト式のブリッジですので、まずはアンカーボルトを抜き取ります。

パール柄のセルロイドドットを熱で軟化させ除去。 マイナスビスの頭が露出するので、アンカーボルトを取り外しました。

ブリッジに熱を掛け、スパチュラを差し込みボディからブリッジを剥がしていきます。 接着剤の効きはかなり甘く、辛うじてアンカーボルトで持っていた様です。 ブリッジ接着が完全に外れ、アンカーボルトのみで弦張力に対抗する様な状態になってしまった場合、ボディトップに激しい割れが入る事がありますので、アンカーボルト仕様のギターをお持ちの方はブリッジ剥がれに注意した方が良いかもしれません。 少しでも浮きが発生していると、要修正です。

ダメージ無く、綺麗に剥がせました。

剥がしたブリッジをボディに仮置きし、 センター・スケールラインのチェック。ギブソンのギターはこれらが良くズレているので、基本疑ってかかります。 ですがこの個体は問題無し。 貼り付け位置が決定すればブリッジをガイドに周辺塗装をデザインナイフで罫書きます。

接着面に入り込んでいる塗装除去の為に切れ目を入れました。 ブリッジとトップ材、木材と木材を接着しなければ強度が出ませんので、ブリッジサイズぴったりに塗装が載っていない状態が理想。 画像外側の線がブリッジと同寸法に切り込みを入れた線、内側が元々の罫書き線です。 接着部に塗装を乗せて接着を行った方が誰でも簡単に美観を損なわず接着出来るので、ギブソンに限らず量産個体では殆どがこの仕様に成っていますが、接着強度が稼げないので、弦張力によるTOP材の変形にブリッジ接着がついていけません。遅かれ早かれ剥がれてしまいます。 接着面には木材しか無い状態にするべく、不必要な塗装を除去します。

除去。

除去!

あーだこーだ工具を持ち替えながら、塗装を完全に除去。 ブリッジ側の接着剤も同じく除去し、接着面の調整を終えました。

接着に向けた準備を。 アジャスタブルサドル可動部にマスキング。

接着剤を使用し、クランピング。 初期硬化が非常に重要ですので、写真を撮る暇がありません。 接着に必要な作業を全て終えたのち、パシャリ。

丸一日安置したのちクランプを解きました。 ぴったりしっかり、接着が出来ています。

アンカーボルトが無くてもまず剥がれませんが、位置決め等で便利なので再利用する派です。 もう頑張る必要はありませんが、もう一度一緒に楽器したそうなので! しかし、外したパールドットは熱変形しますので処分…ありがとう! 新たに同径のパールドットを埋め、純正と同じ外観にします。