EUROPOWER EPQ2000 インプット修理
本日もアンプの修理をご紹介させていただきます。
が、楽器用アンプではなく、PA用アンプです。

EUROPOWER EPQ2000。
リーズナブルに機材を提供してくれるべリンガーというメーカーのパワーアンプです。
音響用の機材なので、ミュージシャンの方にはあまりなじみがないかもしれません。
入力された信号を増幅させて、スピーカーへと送るという役割はギターアンプなどと変わりません。
ただ、ギターアンプなどのようにEQツマミなどはなく、左右のスピーカーが鳴らせるよう2チャンネルで、レベルのツマミ2つのみというものが主流です。
スピーカーから音が出ないとご相談を頂きました。
音が出ない場合の原因は大きく分けて2つ。
・信号が入力されていない。
・信号が出力されていない。
です。
ただがむしゃらに故障箇所を探すより、少しの情報からあてをつけた方が圧倒的に早く見つかります。

今回は信号入力のインジケーターが光っていなかったので、インプット側から点検していきます。
バラしていきます。



インプットコネクターの端子が曲がっているように見えます・・・。
アンプからインプットコネクターの基板を取り外して確認します。


やはり端子が曲がっていて、基板と接続されていません。
とりあえすコネクターを取り外してみます。

曲がって端子の先が折れてしまっています・・・。
パーツを取り替えてしまいたいところですが、汎用品が使われていなかったことと、あまり予算をかけられないことから、直して使うことにしました。

これだけ小さな部品になると、折れた部分をそのままくっつけることは困難です。
先の折れた部分だけ付け足します。


まずは曲がっていた端子に穴を開けます。


その穴に折り曲げたスズメッキ線を差し込んで、ハンダ付けします。

他の端子と長さを合わせてカットします。

再度コネクターを基板に取り付ける前に、古いハンダを取り除きます。


きれいに取り付けられました。

最後にハンダ付けをして完了です。
最近では、リーズナブルにいろいろな機材が手に入るようになりました。
低価格帯の機材は、コストを抑えるために、安いパーツを使用するため、耐久性が低くなってしまいます。
修理をする場合には、高価な機材より手間がかかることも多く、その分修理費用も高くなってしまいます。
時には、購入金額よりも高くなることも・・・。
見積りをお伝えした時に、「直さないほうがマシですか?」とか「買い替えるほうが良いですか?」と聞かれることもよくあります。
たしかに、買い替えるほうが合理的かもしれません。
しかし、直されなかったその機材は、ただの鉄くずになってしまいます。
壊れたその一部を直せば、その鉄くずは機材として活躍できます。
機材を生き返らせたり、輝かせたりするのは、ちょっとした気持ちかもしれません。
僕たちは、どんな安い機材でも、ボロボロで汚い機材でも、手を抜くことなく、全力で向き合っていきます。
どんな状態のモノでも、ご遠慮なく、ご相談ください。