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  • 秋元

VG VG-00M ネック折れ

梅雨が明けたので、やっと塗装の安定的な吹き付けが可能に。

ブログにちらっと登場させていた個体ですが、修理が完了しました!

全断裂。 ボディの軽いアコースティックだと珍しい折れ方かもしれません。 とりあえず、接着しないと何も始まりません。 タイトボンドを使用し、第一の接着を行います。

24時間固定し、接着が完了しました。

破損部の木材が所々欠損しておりこのままでは強度が出ません。 おなじみ、補強材仕込み。 最近、補強材の仕込みが必要な複雑な折れ方で当工房にやってくる個体が多い気がします。 折れ方にも流行があるのでしょうか…

補強(マホガニー)を仕込み、木地を露出させました。 ブリッジ剥がれも発生していたので、修正。

サクサク剥がれました。 …接着中の画像はございません。

ブリッジの成形も併せて行いました。 ブリッジピンホールのスロットを切り込み、サドルへの弦導線をより鋭角に。

サドルに掛かるテンションを適切化。 よりシャープな出音に、特に巻き弦のゴロッと感(?)がはっきり鳴るように変化します。 ブリッジ接着後、塗装工程へ進みます。

下地塗装の段階で弦を張り強度確認がしたいのですが、ナット・サドルを紛失したとの事で、弦が張れません。 塗装完成後に製作すると余計に神経を使う事になるので、この段階で作っておきました。

無漂白の牛骨です。 いわゆるビンテージボーン。 弦が張れましたので、1音上げチューニングで3日間程度安置し強度を確認します。 しっかり丁寧な接着を心がけるとまず問題は起こりませんが、精神的に楽なので必ず塗装段階で1度弦を張ります。

極端なチューニングの狂いはないか、接着箇所の剥がれや隆起はないか… 問題のない事を確認し、塗装を進めます。

着色。 補強材を仕込んでいるので、木目の見えないツブし塗装を行いました。

破損部を中心に元塗装に似せたソリッドカラーを調色し、ボカしながら吹き付けます。 木目が透過していないので、近くで見るとさすがに違和感を感じます。 どんな塗装をしようとも折れた物を修理したという事実は変わらないのですが、修理作業には隠蔽の側面も含んでいると思います。 ある程度明るい照明下に置き、2m程度離れて破損部が目立たない位を意識し着色しています。

最終的には純正と同じくつや消しラッカーでフィニッシュ。 元塗装との切り返し部での馴染みが良いので、つや消し仕様は助かります。

欠損していたツキ板・外周バインディングも…

それぞれ部分的に追加し、しっかり修正。 こちらも純正仕様を参考に、ヘッドトップはラッカーでグロス仕上げに。

最後の最後で写真を撮り忘れたので、塗装磨きの途中の画像ですが… 完成しました!! 作業前は演奏可能な状態では無く、元の音は分かりませんが、むちゃくちゃ鳴ってます。 ボディサイズのわりに深く設定された胴が作用しているのか、音量もしっかり出て気持ち良い。 修理後の楽器を弾き過ぎてしまう悪い癖があるのですが、今回はつや消し塗装をグリップに施しましたので、ほどほどに。ツヤが出てしまいそうです。 ご利用いただき誠にありがとうございます! ごお満足頂ければ幸いです。

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