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Gibson LG-0 フレット交換 サドル成形

記憶が定かではありませんが、1968年製のギブソンLG-0

ボディ・ネックにびっしり細かなウェザーチェックが。 シブい。

さすがに半世紀近く前に製造されたギター。 各部に不良が散見されます。 ねじれ・波打ちの出たネックの修正、フレットの交換&調整の効かないサドル部の加工などなど。 各部にしっかり手を入れ、復活させます。 まずはトラスロッド。

ストッパーが木部に食い込み、ロッドが効きません。 ストッパー自体のサイズが小さく、締め込んだ際の圧力に木部が耐えきれない様。

ストッパー・ロッドナットを新品に交換し、応急処置を行いました。 本来であればトラスロッドの交換をお勧めしたい状態ですが、あまりにコストがかかります。 簡易的な修正と成りましたが、充分に効きを取り戻しました。

その後、フレットを抜き取り指板修正。

トラスロッドが効く様になり、極端な順反り状態を脱する事が出来ましたので、修正に必要な掘削量も抑えられます。

年代からの考察で、指板材はハカランダらしいのですが、現代では考えられない程質の良い材が採用されています。 LG-0はスチューデントモデルに当たる楽器ですが…恐ろしい時代です。

さくさくっと新品フレットに。 ビンテージ個体のフレットは現代で主流なフレットと全く異なる規格で生産されている事がほとんど、このLG-0もおそらく純正のフレットがそのまま残され、今回の交換が初めての様です。 すこし身構えての施工でしたが、あっけない程に違和感なく交換ができました。 ビンテージがみんなこうならいいのに。

ナットも製作し、サドル調整に備えます。 サドルの設定(弦高)がまだ出ていませんので、この時点ではざっくり。

準備が出来れば、サドル。 純正のハカランダサドルには、弦が通る部分に溝が切られています。

溝付きが純正仕様か判明しなかったのですが、溝が深すぎる為に弦振動を殺しています。 溝の深さもバラバラで、弦高が安定しない事もあり、上面の成形を行いこれらの問題を解消していきましょう。

サドルを取り外してみると、裂けていました。 上下でラミネートされている様ですが、接着部をきっかけに、ザックリ。

裂けたサドルの接着、溝を消しながら上面Rの成形を行い…

ノミ・ペーパーを使用し成形。

弦とサドルの接点を可能な限り鋭角に。 木製サドルですので、耐久性の面から牛骨や象牙の様にとはいきませんが、点接地が理想です。

取り付けを行い、ナット最終調整及び弦高を出します。 弦振動のロスが改善されました。 この時点で、音質・演奏性共にお預かり時とは比較にならないほどに改善が見られますが、メインの修理は実はこれから。

バックブレイシング(バスバー)の剥がれ、ジョイントブロックの剥がれ等、接着部の不良がそこら中に見受けられます… お預かり時の検品で判明し修正をお勧めしていましたが、「家でちょろっと弾くくらいなので」と一旦無しに。 フレット交換+サドル成形作業終了後の試奏で、これらの剥がれが原因となるビリつきや、異常なまでのサスティーンの無さに直面し、再度修正を提案させて頂きました。 現在は全ての作業が終了しましたが、ブレイシング剥がれの修正はまたの機会にご紹介させていただこうかと思います。 そう、全てはブログネタの為。