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Gibson CustomShop SG STD デレク・トラックス風Mod

SGが好きです。 というか、そもそもギブソンが好き。

ギターに初めて触れたのが高3の夏で、ギター製作の専門学校に進学を決めたのがその年の秋と、かなり遅咲き+突発的な人生感を持つ僕ですが、その3〜4ヶ月でのギターに対する情熱たるや物凄いものがありました。 今でもその時に得た知識が役に立つ事がある程に、ギターに対するあらゆる知識を欲していた純粋な高校生だった僕.。" キングオブエレキギター=ギブソン"のイメージが植え付けられるのにそう時間はかかりませんでした。 学校に内緒で行っていたアルバイトの給料4ヶ月分を握りしめ、大阪の楽器屋を巡り出会った初めてのギブソン。 "Gibson Custom Shop H/C 57 Les Paul Junior" 今でもこの型番を見ると当時の高揚感、"CustomShop"の金文字があしらわれた漆黒のハードケースを大事に抱えながら家路を急いだあの時を思い出し、ゾクゾクしてしまいます。 そのギター、諸事情により今はもう手元にはありませんが、たまに思い出しては当時を懐かしんでしまいます。 そんな思い出もあり、今でもGibsonが好きなのです。 雑誌で得られる知識ではなく技術面や素材の質等、嫌らしい角度から楽器を見る事が要求される立場からすれば、そのアメリカンな仕事っぷりに「おぉ…」となる事も多々あるのですが、「多少荒くてもいいじゃない!だって俺、ギブソンだぜ!かき鳴らしちゃえYo!」と言わんばかりの堂々とした風格、大陸のおおらかさを感じます。

かっけぇ… 個人的な好みで言えば、SGは61。この仕様がダントツです。 スモールピックガード、マエストロビブラート、段差の無いジョイント部形状等、堪らない美しさ。 61年仕様といえば 「デレク・トラックス」 本人はレギュラーラインの61リイシューを使用しているらしいのですが、このギターを"あの"ギターにカスタマイズ! カバー部を残しアームの駆動部を撤去+テイルピースの追加をメインに、作業を進めます。

まずはマエストロアームの加工。 ボディにビス留めされるベースフレームに、板バネが差し込まれ溶接されています。

溶接を外す事は難しいので、板バネ部をグラインダーで飛ばします。 カバーをベースフレームにねじ止めする方式ですので、ベースフレームは再利用。 慎重に。かつ大胆に。

こんな感じに。

板バネを少し残しながら切断しましたので、均していきます。

こんな感じに。

ペーパーで磨き、バフ研磨。 当然加工部はメッキが剥げますが、地金がジンクなのでそこまで目立ちません。

テイルピース追加にあたり、ジグを作り、アンカーを打つ下穴を開けます。 11φで20mm。 位置関係は、ネットで検索したデレク本人使用のSGを参考に。

下穴を開け、アンカーを打ち込みました。 ブリッジアースのワイヤーホールは、マエストロアームユニットのカバー下→ブリッジアンカーに抜けるようにしています。

追加したテイルピースのアンカー ↓ マエストロアーム ↓ 純正アース線 ↓ GND という流れ。

テイルピースアンカーからキャビティ間を貫くワイヤーホールを開ける度胸がありませんでした。 35mm厚のボディにはリスクが高すぎます… ちょっと挑戦しようかなと思いましたが、無理です。 手が震えます。 リスクは積極的に回避する、そんなスタンス。

導通確認。 少し見辛いですが、ベースフレームを固定する木ネジにラグを噛ませ接点させています。

パーツを組み込み、セットアップ。 新品のテイルピースのメッキがまだ違和感を感じさせますが、ニッケルメッキを選択したのですぐに馴染むでしょう。 磨いたベースフレームの切断部は、違和感なく馴染んでくれています。

すっきりまとまりました。 テイルピース化した事により、以前と比較しブリッジに掛かるテンションを稼ぐ事ができるので、鳴りはよりロスなくタイトになります。 マホガニーは振動させてなんぼみたいな所があるので、カラッとしたSGらしいトーンの出力に一役買ってくれる事でしょう。 マエストロアームはアームとしての本質的な機能を失いましたが、ユニットの大部分が残っている事、ジンク製のテイルピースを選択した事により重量バランスがさほど変化せず、施行にあたり発生を懸念していたヘッド落ちも気になりません。 マエストロアーム、異常にかっこいいウエイトバランサーとしての第二の人生を歩み始めました。 ご依頼いただき誠にありがとうございます! ご満足頂ければ幸いです。