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トラスロッド不良、応急処置 YAMAHA SG

April 27, 2016

 

 

好きです。
YAMAHA SG 


 

 

 日本人的な真面目なデザイン。
シンメトリーなボディラインをデザインに落とし込むのって、すごく難しいのです。


レスポールインスパイヤなんですけれども、オリジナリティも感じ取れる…
いってしまえばズルいデザインなんですが、いやいやそこは気づいた者勝ち。素晴らしくバランスの取れた秀逸なモデルです。

各部ハードパーツもオリジナル。
YAMAHAにしろIbanezにしろ、こういうところ(既製品使えばいいやん部分)を妥協しない姿勢、素敵。


今回はトラスロッドが回りきった個体の修正です。
去年の秋口位にメンテナンスでご利用いただいた際にロッドの締め切りを確認し、お客様に「これ以上順反りが進行した場合、現状ではどうにもならない」とお伝えしていたのですが、季節の変わり目で、症状が進行してしまったようです。



 

 

弦10-46 チューニングレギュラーでこの弦高。

6弦4mm 1弦 3.3mmとかなりののスパルタ仕様に。
弦の張力にネックが負けた結果、こんなにも反りが出ています。


 

ロッド調整口を見てみますと、このような状態。

ロッドキャップが調整可動域の下限まで移動しており、これ以上は回りません。

トラスロッドの機構を文章で説明できるほどの文才が無いので、詳しい事は書けませんが、こういったシングルアクションのロッドの場合、ロッドキャップを閉め込むとネックと平行方向へ圧縮する力がかかります。
同時にそこを支点として垂直方向に反発する力が作用し、湾曲し埋め込まれているトラスロッドがストレートになろうとする力→弦の張力に負けたネックをストレートにする力へと利用します。



シングルアクションのロッドの場合、ロッドキャップに接する形でストッパーを備えておりますが、現行品に比べてストッパーの面積自体が小さく、ネック平行方向への圧縮に対してストッパーを支える木材部分が負けてしまったようです。
結果として、ロッドを回しても本来得られるレベルで反発する力が生まれない→ロッドを余分に回す必要がある→製作段階で想定されていたロッドキャップの可動範囲では足りなくなる
というスパイラル。

こういった症状を改善する場合、一番有効な手段はトラスロッドの交換です。
指板を剥がし、トラスロッドを抜き取った後、ネックを機構から見直し適切な補強処置を行い、ロッドを仕込み直す…
ロッドを仕込み直せば確実に修正が可能ですが、現実的に言うと、コストの面から慎重にならざるを得ない修理でも有ります。

今回の修理は、比較的簡単かつロッド不良の初期段階では有効な手段としてご提案させていただく修正です。
ロッドの仕様に限定されるきらいがありますが、不良が起こりやすいロッドはこの修理が可能である場合がほとんどです。


 

 
使用するのはワッシャー。



 

 

こんな感じの


 

 

こんな感じで

 

 

 


こんな感じに!

ロッド調整のみで6弦2.0mmまで落とし込む事に成功しました。
ただ単に、かさ増しをして調整有効範囲を広げてやろう!的な簡易的な作業ですが、効果は絶大です。

ただ、調整範囲が拡張されてロッド回し放題や!完璧!! ではなく、根本的な解決ではありません。
ネック平行方向への負荷に負けた木材への補強は指板を剥がさない限り行えませんので、このまま順反りが進行し、いままで通りにロッドを回し続けると、ストッパーを支えている木材がさらに圧縮されていきます。
木材を圧縮している力が限界に達すると、最悪ネックを割る事があり、こうなると修正難度が桁違いに上がります。
こういった個体の保管の際には、弦を少し緩めていただく事を忘れずに行う事が大切ですね。


ご利用いただき誠にありがとうございます!
ご満足いただければ幸いです。

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