オリジナル製作5 塗装
前回ボディ木工完了をご紹介したので、今回はいよいよ塗装に入りたいと思います!
今回製作したジャズマスターの塗装はウレタン塗料を下地に使い、最後にラッカークリヤーをオーバーコートして仕上げる『ラッカーフィニッシュ』と言われる仕様で製作しております。
まずは下地塗装(ウッドシーラー)
木材のヤニ止めや、導管などから塗膜の吸い込みを防ぐ為に塗装します。


この時点ではまだ塗膜の平面は出ておらず、木目に沿ってガタガタした面になっています。
なので、中塗り塗装の工程に入り、塗装をしてマホガニーの導管などを塗料で埋め、乾燥させ、研磨で余分な塗膜を削り落とし、と言う作業を塗膜の平面が出るまで繰り返します。
また中塗り塗装には通常「サンディングシーラー」と言う塗料を塗装するので、少しサンディングシーラーの説明をさせて頂くと
・研磨剤が入っおり、研磨が容易。
・乾燥が速く塗装を肉厚に吹きつけ易い。
上記の特性があり、中塗り作業にはとても向いている塗料なのですが、研磨材が入っている為、塗料自体が白く白濁しており、塗膜が濁ってしまうので、シースルーやナチュラルカラーに仕上げた時、色の鮮やかさや、透明度は損なわれてしまいます。
いまた研磨性をよくする為、乾燥後の塗膜がウッドシーラーやクリヤー塗料に比べて柔らかく、下地塗膜との密着性も悪いと感じるので中塗りの工程でサンディングシーラーを使用することは少ないです。
*特殊塗装等の場合、必要に応じて使用する事もあります。
以上の理由から、中塗りに使用する塗料はオーバーコート等に使用するクリヤー塗料で塗装します。サンディングに比べ乾燥に時間が掛かり、乾燥した塗膜は硬く研磨作業など、時間と手間が掛かりますが、より良い仕上がりに製作する為に、必要不可欠な工程だと思います!
そして中塗りの工程が終わり、塗膜の平面が出たら、着色の作業に入ります。
着色と言いましたが今回使用したマホガニーが美しい木目と色だったので、着色と言うよりは補色する感じで塗装しました。


シースルーでブラウンを塗装し、マホガニーの色を少し濃くし、より高級感のある仕上がりに塗装しております。

中塗り塗装完了時にはネックの方が少し色が濃色でしたが、補色した事によりほぼ同色になっております。

塗膜の厚みも最小限に抑えられ、カラーもマホガニー自体の色を損なわない自然な色合いで、上記で説明したように中塗り塗装にサンディングシーラーを使用していないのでとても透明感のある仕上がりになりました!
そして上塗り工程に入り、ラッカークリヤーをオーバーコートし、乾燥させ、磨き上げて塗装の工程は完了です!
次回は完成までをご紹介したいと思います!