コントロールパネル修正 ジャズベース
ジャズベースのノイズについて、ご相談頂きました。
シールドを触るとバリバリと異音がなり、音が途切れる。
弦を触ってもノイズが発生し続ける状態でした。
よくあるトラブルなので、リペア内容をご紹介します。

スタンダードなジャズベースです。
コントロールパネル内を確認します。

コントロールパネル内です。
ジャックが老朽化していましたが、直接的な原因はジャック本体ではなさそうです。
断線箇所もみられますが、これも今回の症状の原因ではありません。
原因はジャックとコントロールプレートの接触不良。
たいていのジャズベースのサーキットは、ジャックのコールドやポットのアースは配線で繋がっておらず、コントロールプレートとパーツの接触面のみで繋がっています。
製作の効率を良くするための仕様ですが、プレートとパーツの接触部のみで繋がっているため、ナットの緩みやパーツのサビなどで、接点不良を起こしてしまいます。
ジャックが接触不良を起こすと、バリバリと耳障りなノイズが発生したり、最悪の場合音が出なくなります。
配線はなるべくシンプルにするのが基本ですが、なにより安全第一です。

基本的にはプレートで繋がってはいますが、各パーツを確実に結線していきます。

続いて弦アースの修理を。
弦を触るとノイズが少なくなりますよね?
エレキギターやエレキベースは、弦とアースを繋ぐことで、演奏している人間を介し、地球にノイズを逃がす構造になっています。
これを弦アースや、ブリッジアース、人体アースなんて呼んだりします。
弾く人が変わったり、体の向きを変えたりするとノイズの量がかわったりします。
実は演奏者自身も、ノイズの発信源になります。
人間の体は電気を通す良導体で、アンテナ化してしまい、いろいろな電波が集まってしまいます。
弦アースにはそのアンテナ化した体を、シールドに一転させる効果もあります。
説明が長くなりましたが、修理のほうへ。
ブリッジと繋がっている銅線が、真ん中のポットに繋がっていました。

ハンダで付いているように見えますが、ハンダ不良を起こしているようで、テスターで測ると導通していない状態でした。

古いハンダを取り除き、付け直しました。
ついでに他のアース線も整理し、グランドポイントを一か所にまとめました。
なるべく一か所にまとめるほうが、ノイズ発生の予防になります。


各パーツ、ブリッジ、プレートがしっかりと導通しているかを確認して完了です。
少し手を加えるだけで、安心してお使い頂けます。
あなたの楽器はまだまだ良くなる可能性を秘めているかもしれません。
ぜひご相談ください。