オリジナルピックアップ
当工房では楽器本体だけではなく、様々な物をハンドメイドで製作しています。
その一つにピックアップがあるのですが、今回はそのピックアップの製作工程をご紹介させて頂こうかと思います!

「ピックアップとは電磁誘導を用いて楽器の音を電気信号に変換して・・・」などという難しい話しは次回以降に置いておいて、ざっくりとした製作の手順を画像を交えご紹介させていただきます!

主なパーツは、『磁石(ポールピース)』『マグネットワイヤ(コイル)』『フラットワーク』です。
磁石にはアルニコ2や5、マグネットワイヤにはエナメルやポリウレタン(皮膜の成分)、フラットワークにはベークライトやPVC等、各パーツセクションで様々な種類があります。
それぞれの素材の音色傾向がありますので、これら素材の組み合わせを替え、望む出音をこの時点から狙い組み込みます。


フラットワークに磁石を差し込み『ボビン』を作ります。
磁石同士がくっついたりすると作業の邪魔なので、この時点では磁力を抜いた状態で組み立てています。

完成したボビンを専用のマシンにセットし、マグネットワイヤをバラつきがでないよう手作業で均一に巻いていきます。 巻き数で音量・音色等を調整しますが、巻きつけのテンションや均一性でもこれらは大きく変化します。 マシン自体の回転数や微妙な力加減等気の抜けない作業です。


巻き終わったらポッティングと言われるロウ付けの作業。
ワイヤ保護のためもありますが、コイルの共振を止めてハウリングを防止するいう重要な役割もあります。
使用するロウの種類・温度・浸透時間等、こちらも品質に大きく影響する作業です。

続いて着磁という作業。磁力を抜いていた磁石を復活させます。
ポールピースに強力な磁石を当て、着磁します。

コイルに保護テープを巻き、配線をつなげば完成です。

おおまかではありますが、このような工程でピックアップは作られています。
エレキギター / ベースの心臓とも言える部分!!
当工房では、今回登場したシングルコイル以外にも、様々な仕様のピックアップをハンドワイヤリングで製作しています。 ボビンのデザインから製作した完全オリジナルのピックアップも… 次回以降、より詳しい内容でお伝えさせていただきます!ご期待ください♪